Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
大場 弘則; 柴田 猛順
J. Vac. Sci. Technol., A, 16(3), p.1247 - 1250, 1998/00
電子ビーム蒸発源における蒸発効率を向上させるため、ハースライナと焼結タングステンで製作した多孔質体からの銅の蒸発を試みた。蒸気フラックスを水晶振動子型膜厚計及び真空天秤、表面温度分布をCCDカメラ、蒸気流角度分布を蒸着重量、蒸発部生成プラズマをラングシュアプローブ、蒸気変動及び蒸気組成を四重極型質量分析計で測定し、これらの蒸発特性を水冷銅るつぼからの蒸発の場合と比較しながら調べた。その結果、水冷銅るつぼからの蒸発に比べて、半分の入力でロッド全体温度を高温に保持でき10以上の蒸気フラックスを得た。角度分布は高密度蒸発でも等方的であった。プラズマ生成量は投入電力が低いため低減できる。対流及び表面のくぼみが形成されないので蒸気変動がなく、また、多孔質体に汚染されないこと等が見出され、安定蒸気流が生成可能であることを明らかにした。
廣木 成治; 阿部 哲也; 村上 義夫; 柳下 浩二*; 中村 静雄*
J. Vac. Sci. Technol., A, 12(5), p.2711 - 2715, 1994/09
水素同位体(HDやD)中のHeおよびHeを検出できる、高分解能四極子質量分析計を開発した。この分析計は、高分解能モードと通常モードを任意に選択することが可能であり、このうち高分解能モードはマシュー線図の第II安定解領域の条件を採用している。HeはHDやHと干渉するが、特にHeとHDの質量差は0.0059uで、これはHeとDのそれ(0.0256u)の1/4.3である。高分解能モードでHeとHDの分離を試みたところ、He/HD比が0.1程度まで分離できることを確認した。この比をさらに小さくするには、高周波電圧の周波数をできるだけ高くする必要のあることがわかった。また、高分解能モードと通常モードの分析範囲は、それぞれ1~9u、1~60uであった。
西村 昭彦; 有澤 孝; 大場 弘則; 柴田 猛順
J. Vac. Sci. Technol., A, 11(4), p.1516 - 1521, 1993/07
原子法レーザー同位体分離の実用化のためには、電子ビーム加熱により発生させた原子蒸気の特性を知ることが重要である。ここでは、低いエネルギーの準安定準位分布を多く有するガドリニウムを用いて、レーザー光照射部の原子密度が10個/cmオーダーの高い密度下においてレーザー光吸収により準安定準位密度分布の測定を行ない以下の特性を明らかにした。1.準安定準位密度分布から求めた原子励起温度は蒸発面温度より遙かに低く、蒸発速度の増加につれてさらに低下し500K程度となる。2.原子蒸気中には高真空中への急激な膨張によるクラスター生成の可能性はほとんどない。
長崎 正雅; 大野 英雄
J. Vac. Sci. Technol., A, 11(3), p.588 - 596, 1993/05
水素ガスまたは水素イオンビームが入射する金属薄板中の定常状態における水素の輸送を定式化した。得られた式に基づいて、材料及び入射のパラメタと濃度分布あるいは律速過程との関係を求めた。この関係は、ドイルらが同様の式に基づいて導出した結果と異なっていた。我々の導出の方がより直接的であり、それゆえ正しいものと思われる。さらに、この導出を、水素ガスと水素イオンビームが共存する場合に拡張した。特に、水素イオンビームに由来する水素に着目して、水素ガスと水素イオンビームとの相乗効果を議論した。
長崎 正雅; 山田 礼司; 大野 英雄
J. Vac. Sci. Technol., A, 10(1), p.170 - 179, 1992/01
金属銅薄板に重水素イオンを注入し、その透過速度及び表面再結合定数を測定した。透過速度のパラメータ依存性(温度、注入フラックス等)は、高温側と低温側とで異なり、温度に伴い律速過程が変化することが明らかとなった。入射側表面での再結合が律速である領域の透過速度から、金属表面での重水素の再結合係数を求めた。銅の場合には、ニッケル及び鉄の場合と異なり、水素の表面吸着に対するエネルギー障壁をもっているモデルにより、実験値を定量的に説明できた。
村上 義夫; 阿部 哲也; 大澤 晴繁*; 秦 聡*
J. Vac. Sci. Technol., A, 9(3), p.2053 - 2057, 1991/05
核融合炉やその他の先進的な真空機器の真空排気システムを構成するため、ターボ粘性ポンプと呼ぶにふさわしい新型の粗引きポンプを開発した。このポンプは、複数の円盤からなるロータをステータ(静翼)の間で高速に回転させるもので、ロータに窒化ケイ素セラミックスを用い、ロータ全体を支持する気体軸受とロータを25,000rpmで回転させる気体タービンを備えているのが特徴である。新開発のポンプは大気圧から高真空までの広い圧力範囲で動作し、11枚の直径150mmの回転円盤を用いたポンプで最大排気速度0.28m/min、到達圧力110Paなどを確認した。この粗引きポンプの特長として、(1)完全オイルフリーである、(2)強磁場中で運転できる、(3)着火源がない、(4)高温運転が可能である、などが挙げれる。
廣木 成治; 阿部 哲也; 小原 建治郎; 村上 義夫
J. Vac. Sci. Technol., A, 9(1), p.154 - 157, 1991/01
真空容器内で分析管を移動させながら分圧を測定することが可能な四重極形真空分圧計を開発した。高周波同調検出回路をステンレス製の円筒形容器に入れて真空パックとし、分析管に組込んだ。また、分析管に指向性を持たせるため、ガス取込み口に細管を設けた。実験は、分析管を真空容器中央に回転導入端子を介して水平方向に30゜動かすことができるように取付けて行われた。ガス導入用ノズル先端から分析管まで125mmの距離に設定しノズルから1.910Pam/sのアルゴンガスを噴出させたとき、分析管がノズルに正対した位置(0゜)でのAr出力に対する-30゜の位置での出力の比が1.09であった。また、真空容器全体を150Cにベーキングしながらこの分圧計を作動させたが、m/e=1~50で正常なマススペクトルを得ることができた。
荻原 徳男; 前野 勝樹
J. Vac. Sci. Technol., A, 8(5), p.3855 - 3863, 1990/09
10ms以下の応答速度をもつ真空計を新たに開発し、JT-60水素プラズマ周辺部の圧力測定を行なった。グラファイト第一壁からのガス放出について調べた結果、以下のことがわかった。1)プラズマディスプラッション後に排気されるガス量は、導入ガス量とほぼ等しいかそれ以上である。ガス放出は2度にわたっておこる。最初のガス放出は、プラズマの熱エネルギーの損失(サーマルクエンチ)に起因する。第2の放出は、プラズマの磁気エネルギーの損失(カレントクエンチ)に伴っておこる。ガス放出に関与するグラファイト表面積は約10mである。2)通常の放電では排気量は導入よりも少ない。ガス放出は放電が収量してからおこる。グラファイト内の水素原子の拡散が律速過程となっている。
荻原 徳男; 前野 勝樹
J. Vac. Sci. Technol., A, 7(4), p.2804 - 2807, 1989/07
核融合装置のプラズマ周辺部のガス圧測定を十分速い応答速度で行うために、プラズマを閉じ込めるためのトロイダル磁場を用いたペニング真空計が考えられる。応答速度を速くすることができるとともに、ペニング放電から発する光を分光分析することにより分圧測定の可能性がある。JT-60への適用を前提として実験をおこなった。
馬場 祐治; 佐々木 貞吉; 鷹野 一朗*
J. Vac. Sci. Technol., A, 6(5), p.2945 - 2948, 1988/09
イオンビームを用い、金属表面に窒化物薄膜を生成させる手法及びその生成機構について検討した。
馬場 祐治; 佐々木 貞吉
J. Vac. Sci. Technol., A, 6(5), p.2933 - 2937, 1988/09
種々の条件下で作成したモリブデン酸化被膜に、重水素及びヘリウムイオンを注入し、その昇温脱離挙動より、注入イオンの捕捉状態を調べた。
荻原 徳男; 前野 勝樹
J. Vac. Sci. Technol., A, 6(5), p.2870 - 2875, 1988/09
核融合装置のプラズマ周辺部のガス圧測定を目的として、磁場の強さおよび向きによる感度変化の少い電離真空計を開発した。
西堂 雅博; 山田 礼司
J. Vac. Sci. Technol., A, 6(4), p.2410 - 2414, 1988/07
酸素雰囲気下でArイオン照射したモリブデンの表面化学組成及び化学形について、オージ電子分光法及び、X線励起光電子分光法により調べた。Arイオンの同時照射により、気相系からの酸素の取り込みは増加し、また、種々の原子価から成る酸化物が形成されることがスペクトル解析より判明した。
村上 義夫; 阿部 哲也
J.Vac.Sci.Technol.,A, 5(4), p.2305 - 2310, 1987/04
核融合装置のプラズマ壁相互作用に関係する材料の研究開発は、プラズマ閉込めの研究を進展させるうえで解決しなければならない現在及び近い将来の問題を含んでいる。検討を要する主要な課題は、i)不純物放出と表面侵食、ii)水素同位体のリサイクリング、iii)高熱負荷への対応、iv)プラズマディスラプションは影響などである。原研における壁材開発と関連するプラズマ壁相互作用の研究は主に装置開発の立場から行われ、新しい材料・プロセスの開発と性能試験に重点が置かれた。JT-60ではTiC被覆モリブデン及び同インコネルタイルが使用され、初期のプラズマ実験で被膜の密着性のよいことが示された。TiC及びCのその場コーティング技術の開発も進めている。次期大型装置のためには強制冷却した壁コンポーネントの開発が必要である。主な技術課題は、核融合装置環境下で使用できるセラミック(黒鉛含む)材料の改良やセラミック-金属接合の開発などであろう。
村上 義夫; 阿部 哲也; 森井 茂樹*; 中石 信義*; 泰 聰*
J.Vac.Sci.Technol.,A, 5(4), p.2599 - 2602, 1987/04
核融合装置の真空排気系には金属製回転翼からなるターボ分子ポンプが広く使用されている。しかし、これを高磁場中で使うときには、回転翼に渦電流が流れ、発熱や回転速度の低下を招くという問題がある。 この問題を解決するために、筆者らは電気絶縁体の焼結窒化珪素からなるターボ分子ポンプ用のセラミック回転体を試作した。回転体はガスベアリングで保持され、ガスタービンで駆動される。また非接触のネジシールによりポンプ内への作動ガスの逆流を防止している。非接触シールの逆流量測定、0.1テスラまでの磁場中回転試験、回転体の強度評価のための破壊試験などを実施し、基本的な性能を明らかにした。
山田 禮司
J.Vac.Sci.Technol.,A, 5(4), p.2222 - 2226, 1987/04
焼結ダイヤモンドとダイヤモンド薄膜を用いて、水素イオンを照射した際に放出する炭化水素の生成収率を求めるとともに、照射前後の試料表面のRaman振動を測定した。黒煙の結果と比較して、ダイヤモンド試料の場合、C炭化水素で25~55%、C炭化水素で10~25%生成収率が減少した。CH生成収率に関しては、焼結ダイヤモンドでは12~14%減少したが、ダイヤモンド薄膜のそれは黒鉛とほぼ同程度であった。黒鉛の照射後試料表面では黒鉛結晶構造のアモルファス化を示すRamanシフトのピークが観測されるのに対して、2種のダイヤモンド試料では照射前後において、ダイヤモンド構造を保持していることが明らかとなった。この結果、ダイヤモンド構造は水素イオン照射に対して強固であり、かつ水素との反応に対して黒鉛と比較して不活性であると言える。また、CH生成収率の違いについてもラマン振動の結果から理解できることがわかった。
山田 禮司*
J.Vac.Sci.Technol.,A, 5(3), p.305 - 307, 1987/03
黒鉛に水素イオンを衝撃するとCおよびC炭化水素が生成することが、最近筆者により見い出されている。C炭化水素はCH,CH,CHより、C炭化水素はCH、CH,CHより成り、各々の収率を直接、四重極質量分析計(QMS)で測定することは出来ない。ここでは、QMSで測定した信号強度より、各炭化水素の収率を数値解で求める方法を提案している。この方法によれば、各炭化水素のクラッキング係数と相対感度を標準ガスを用いて求めれば、QMSの実測値から各収率が求められる。